ベトナムセンターに寄ってみた。

 (この記事は2015年7月19日にべるりんねっと789のコラムに掲載された内容を加筆・修正したものです)

晴天の一日。暑い。何度シャワーを浴びたことか。

あ、そうそう、シャワーで思い出したが、先日書いた、熱帯夜には就寝前にぬるま湯シャワーを浴びると寝苦しさを軽減できるというウワサ。毛穴が開くので温度調整がしやすくなるというのがその理由だった。娘が実践して本当に効くと感心していたので私もやってみたら本当に効いた。これからの夏の夜におススメ。

今日は朝から忙しかった。
役所に用があり、リヒテンベルク区の区役所まで出かけていた。
ベルリンの南西の端のツェーレンドルフ区に住む私が、なぜわざわざ、ベルリンの北東にあるリヒテンベルク区まで~って感じだが、今はオンライン予約が取れるようになって便利にはなったが、人手が足りてないのか、所内がきちんと機能していないのか、ツェーレンドルフ区では3ヶ月待ち。そんなに待っていられないが、今は市民データもデジタル化され、区を越境してどこの役所に行っても構わない。それで唯一空いていたのが「3週間後のある時間にリヒテンベルク区」というもの。
これを取るか、3ヶ月待つかしかない。
仕方がないのでこれを取って、リヒテンベルク区へ出かけたわけだ。
で、娘も夏休みで家にいることだし、せっかくリヒテンベルク区まで出かけるなら、リヒテンベルク区らしい愉しみ方もして帰ろうと、娘たちと一緒に出掛け、帰りにベトナムセンターに寄ってみた。

ベトナムセンターはベトナム系の問屋街。毎年冬になると違法花火の検挙率の高さが話題になるという悪名高き問屋街で、昔は、廃墟のようなバラック内に「問屋」と称する怪しげな店がひしめき合い、ドイツでこれが許されているのか~と目を疑いたくなるような、ちょっとコワ~イ感じのするところだったが、数年前に今の場所、Herzbergstr/ヘルツベルク通りに引っ越した。引っ越したということはキレイになったのかと思ったら…キケンな香りは健在だった。…と、外観を撮るのを忘れてしまったが、いい加減な駐車場、水たまりばかりの通路、建ち並ぶ倉庫、近づくと線香と豚骨スープの混じった匂い…。
中に入るとこんな感じ。

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冷戦時代、東独にベトナム人がたくさん住んでいて、東西ドイツ再統一以降も独特のベトナム人社会が残り、この問屋街もその流れで出来たもの。
しかし今ではインド人の姿も多く、至るところにターバン巻いたオジサンが歩き、インド歌曲が漂っている。
靴や雑貨やアパレル系の問屋以外に、模様入り刈り上げ(こんなの)をやってくれるような美容院や(昔はトイレを美容院に使っていた!)、ミミズが躍ったみたいな文字の並ぶDVDだけを取り扱っているお店などもあり、ひとたび口にしたら雷雨警報が発令されそうなお菓子(ゼリー状のスイーツをこの真夏に冷蔵庫も使わず台に積み上げて売っている)を通路で売るオバチャンがいたりして、異国情緒満点。
で、せっかくなのでベトナム料理屋で食べたりもした。
昔はベトナム語のメニューしかなく、「フォー」(ベトナムのラーメン)としか言えなかったが、最近はドイツ語のメニューも置かれている。

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これは春巻き。
奥は野菜はエビを巻いた、生のまんまのもの。
手前は野菜と小切れにした得体の知れない肉とを生春巻きに巻いて揚げたもの。
どちらも美味しかったが、揚げ春巻きが尋常じゃないほど美味しかった(肉は口に含んでも正体不明だったが、色から言うと牛肉か??)。これは今度真似してみよう~。
ベトナムセンターでは春巻きは写真のようなスープに浸しながら頂く。これもなかなか良い感じ。以前に行ったお店ではどんぶり鉢になみなみ入って出てきて、何に使うのだろう~と大いに戸惑ったが(フィンガーボールかと思ったのだった)、このお店ではご飯茶わんに入って皿の上に置かれて出てきた。

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これは、エビと野菜の細麺焼きそば。
麺がインスタントラーメンみたいだったのが残念だったが、味はOK~。

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これはフォー。焼いた牛肉入り。
昔は倉庫の脇で牛肉を炭で焼いていたが、さすがにそれはやめてしまったみたいで、フライパンで焼いたお肉が乗っていた。
フォーのスープは一種独特の美味しさがあるが、どうやって作るのだろう。
味の素溶かしているだけだったら怖いから、興味はあるが聞いたり調べたりしていない。
自然素材で作っている場合はご存じの方ご一報を~。

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これは前回行った時に食べたフォー。
鶏の胸肉入り。
肉を焼いていないからスープの色がきれい。
奥に見えるのはレモンと唐辛子。好みで入れて頂く。
この店では小さな器に入れて出てきたが、レモンや唐辛子を皿に積み上げてテーブルに置いている店もある。

そんなわけで、たらふく食べて、香港の揚げ麩など、ちまたで見かけないものを買いこんで帰った夕べだった。